『War Horse』 レポ [観劇レポ]

シアターオーブに『War Horse』を観に行って来ました。

National TheatreのTrailerで初めて舞台の存在を知り、トニー賞で度肝を抜かれ、数年前にツアーのTrailerでComing Soon Japanって書かれてたのを観てからずっと待っていた作品でしたが期待を裏切らない素晴らしい作品でした。

様々なシーンで牧歌的な温かさや戦場の悲惨さを浮き彫りにする豊かな顔を持つ照明、決して説明過多にならず映像や歌・音楽によって観客を物語の中に導き登場人物と共に感じさせる語り口が実にシンプルかつ鮮やかで、洗練された驚きと美しさに溢れる演出で極上の演劇空間にどっぷりと浸る事が出来ました。

何と言っても南アフリカの伝統的な人形を取り入れたパペットを作り創作活動をしているHandspring Puppet Companyが制作したジョーイを始めとする劇中に登場するパペット(彼らはこれらを情緒工学の作品と呼んでいる)の息吹を感じる生き物としての生々しさに圧倒されると共にTheatrical Magicとはこのことか!!と思わせてくれます。
またHandspring Puppet CompanyのBasil JonesとAdrian Kohlerが以前言っていた「人形が舞台上で生きようと渇望する事が物語の原型なのです」と言う様に命のないものに命を吹き込む俳優達の細かな演技(複数の声を同時に出す事でリアルな馬の鳴き声を表現したり、呼吸を合わせて息をして馬の息遣いと共に体を動かしたり)によって徹底的に命をそこに表現しようとしているのでパペットと人間が同時に舞台上で対峙して物語が語られる時に観客は強烈に命を感じざるを得ないし戦争の中で描かれる人間と軍馬達の力強さと気高さ、さらにそれを奪ってしまう戦争の愚かさ恐ろしさに心を激しく揺さぶられます。

間違いなく文句無しの傑作だと思うので時間のある方・興味のある方には観に行く事を強くオススメします。

今度はHandspring Puppet Companyが『War Horse』以前にマリ共和国のソゴロン・マリオネット一座と制作した実物大のキリンのパペットが出て来る作品が観てみたいです。

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