『Beautiful』 レポ [観劇レポ]

Stephen Sondheim Theatreで上演中のミュージカル『Beautiful』を観て来ました。

この作品は数々のヒットソングを世に送り出しアメリカのポップス史に名を残す伝説のシンガーソングライターCarole Kingの半生を描いたジュークボックスミュージカルです。

あらすじはブルックリン生まれでソングライターになりたいCarole Kingは16歳の時にデモテープを売り込みデビューするがなかなか上手く行かず後の夫となるGerry Goffinとタッグを組んで様々な歌手に曲を書き下ろすソングライターとして親友でライバルでもあるBarry MannとCynthia Weilコンビと切磋琢磨史ながら数々のヒットソングを世に送り出す様になるが・・・と言うストーリーです

舞台は青や紫の落ち着いた色使いの薄暗い舞台にピアノ1台が置かれた状態から始まりCarole Kingが"So Far Away"を歌って〜Caroleの自宅〜スタジオへと二階建てで電飾とスライドする大きな板での場面展開が印象的なセットでのステージングが全編通して言える事ですがとてもスムーズでオープニングから舞台の色んな顔が観れて面白かったです(特にスタジオへの場面展開はダイナミックで見物です)。

Douglas McGrathの脚本はわかりやすく小気味良く展開しCarole Kingはの人生に自然にミュージカルシーンを溶け込ませていました、物語の中でCaroleや周りの人々のささやかな相手を想う気持ちや愛情、それゆえの悲しみが曲に反映されて作られ歌われる様子を丁寧に描いているので目の前で観るとリアルな質感ゆえにより暖かく・悲しく感じられて心に響いてくるのでリアルタイムじゃない自分の様な世代でもキャロルの人生と楽曲の合わさった時の心の動きを世代を超えて共有出来る作りだったと思います。

主演は『On a Clear Day You Can See Forever』でトニー賞ミュージカル助演女優賞にノミネートされたJessie Muellerで彼女はCarol Kingを演じる為に彼女の本やインタビューを読んだり、映像を観たり、ピアノレッスンを受けたりして徹底的にリサーチを重ねた役作りが活きた素晴らしいパフォーマンスでした。
冒頭で"So Far Away"を歌った後にキャロルが16歳の時にシーンが移った時のJessie Muellerの初々しい少女感、さらに物語が進むにつれてライバルとの競争、離婚などを経てリアルに年輪を重ねた大人の女性の雰囲気に変わって行く演技は本当にナチュラルでした、また痛みを乗り越えGerryが作詞した恋人との出会いの喜びを歌ってる"Natural Woman"をレコーディングしてる姿には感動せずにはいられないしラストに"Beautiful"を力強く歌い客席にキラキラした笑顔で微笑む彼女は本当に美しかったです、この舞台を観た人は絶対に彼女を好きになるぐらい魅力的でキュートなCarole Kingを演じていました、今年のトニー賞ミュージカル主演女優賞は彼女が相応しいと思います。

他にもGerry Goffinを演じたJake EpsteinのCaroleや娘と一緒に居る時の優しい姿・仕事で才能を発揮している時のキラキラした姿と何か満たされず浮気や薬物に手を出し追い込まれて壊れていく姿のギャップのあるダメで最低な所もあるんだけど憎みきれないGerryを好演していました(あまりのGerryのダメっぷりにCaroleが抑えていた怒りをぶちまけるシーンでは良く言ったと拍手が起こっていました)

Barry Mannを演じたJarrod SpectorとCynthia Weilを演じたAnika Larsenもチャーミングで人間味のある演技が実在感があって良かったです、あとなんと言っても二人とも声に特徴があって歌が上手い!!

久しぶりにストーリーと音楽の相乗効果で観客の心に訴えてくるジュークボックスミュージカルが誕生したって感じでこれは『Bullets Over Broadway』と作品賞を争うロングランは折り紙付きの作品だと思います、いやー素晴らしかった!!



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