映画『愛、アムール』 レポ [映画レポ]

ミヒャエル・ハネケ監督の『愛、アムール』を観て来ました。
観ながらまだまだ自分には消化しきれないなと思いながらも、ふと自分が小学生の頃に亡くなったおじいちゃんと病院とヘルパーさんの力を借りながらもおじいちゃんを在宅介護をしていたおばあちゃんの姿が蘇ってきました。
『愛、アムール』の様に入院するのは嫌だと言っていたおじいちゃんの意思を尊重して最後まで在宅介護をしていたおばあちゃんの姿を思い出すと、映画でのあの老夫婦の姿は何にも言葉を交わさなくても感謝や辛さや愛情等の色々な感情が通じあってる様に観えた数々のシーンが静かに強烈に染み入って来ました。
特に生きる為に必要な食事やトイレのシーンが時間と共に徐々に様子が変わっていくのがあの老夫婦を観ていると自分の祖父母と重なって悲しくも美しく感じられました。
また、ラスト手前のあの行為とその後の一緒に出掛けるシーンの繋がりは本当に良かったなと思います。

ハネケ監督のちょっといじわるなぐらいにリアルな間や伸ばし過ぎじゃない?ってくらいの余韻のある撮り方が凄かったです(ミヒャエル・ハネケらしいって言えばらしいのかな)しかもリアルな老老介護の様子を住んでるアパートから一度も出ないで見せるだけであんなに感動的な映画に出来るなんてハネケ監督のファニーゲームとか白いリボンとか隠された記憶とかを観て毛嫌いしてる人も観てみて欲しいです。
この映画はハネケ監督の育ての親の彼のおばさんとの経験を元に作った映画らしいので本当に真摯に愛を描いた名作だと思います。
エマニュエル・リヴァさん(ヒロシマ・モナムール)とジャン=ルイ・トランティニャンさん(男と女)の名演技も必見です。

自分が年をとった時に観たらまた印象が変わるのかな?

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